2025年10月10日
プレCYDER「たったひとつの冴えないパスワード編」を、全職員向けの研修として活用された石狩市のみなさま。
どのような点を工夫されたのか、どのように活用されたのかお伺いしました。
NICT:石狩市役所様では、プレCYDERを庁内の全職員向けの研修としてご活用されていますが、きっかけがありましたら教えてください。
和田さん:2024年度後半に、幹部職(部長・課長等)に対してセキュリティに関する知識を持ってもらうことを目的に、プレCYDERを活用しました。もともと石狩市のセキュリティポリシーには研修で教育をすることが定められており、何をしようかと悩んでいた時に2024年度前半のプレCYDERを受講した君野さんが、「とても分かりやすかったので、研修として活用するとよいのではないか」と提案してきたことがきっかけです。その後も君野さんが中心になって進めてくれました。
君野さん:私は、DX推進課に異動してきてすぐにプレCYDERを受講しました。
動画では講師の説明が分かりやすく、とても理解が進んだことから、庁内の研修にぴったりだと思い提案しました。
ただ、職員一人一人がID登録と申込みをする必要があることが、研修として活用する際のボトルネックになり、ここで引っかかる人が多くなるのではないかと思ったので、職員向けのマニュアルを作成しました。
NICTが提供しているマニュアルは自治体向け以外の内容も含まれているので、石狩市で導入しているマニュアル作成ツールを使用して、必要な部分だけを抜粋し分かりやすくしました。
NICT:幹部職員だけなく、対象を全職員に拡大することは、どの時点で考えていらっしゃいましたか?
和田さん:一部の年配の方は横文字がわからないとおっしゃっていましたが、ためになったという声がとても多かったので、これなら全職員を対象にできるのではないかと確信しました。
2025年度1期「たったひとつの冴えないパスワード編」は、2024年度後半に管部職が受講したものと同じコンテンツなので、全職員向け研修として活用をしました。
NICT:対象者が増えると、申込から受講修了まで導くのがなかなか難しいかと思いますが、どのような工夫をされましたか?
君野さん:前回から継続してになりますが、アカウント作成の手順マニュアルを今回も使用しました。
また、新たな工夫としては、①視認性を高めるためのチラシの作成②受講特設会場を設置し受講しやすい環境を準備したことでしょうか。
NICT:受講特設会場の設置は、とても素晴らしいアイデアですね!
また、CYDERのキャラクターのさいだこ君もチラシに掲載いただきありがとうございます。
和田さん:庁舎の特性上、会議室が少なくWeb講習を受けるような個室もありません。
そのため、会議室をこちらでご用意して、特設会場として期間内は自由に使っていただけるようにしました。
また、未受講者には個別にリマインドメールを送ったことも効果的だったのかもしれません。
9割以上の職員が修了しており、ほっとしています。
NICT:2025年9月に、プレCYDERの新コンテンツ(2期)が開講しましたが、今後はどのような計画をたてていらっしゃいますか?
和田さん:2025年度の2期のプレCYDERについても、まずは幹部職に受講してもらい、来年度前半で全職員、と今後も貴重なツールとして利用させていただこうと思っています。
受講してもらったことによる大きな変化は、今のところまだ見られませんが、毎年受講してもらうことで、職員全体の意識の底上げに繋がると思っています。
NICT:継続してご活用いただくにあたり、プレCYDERのコンテンツについてご要望はありますでしょうか。
和田さん:「メールの誤送付やメールの踏み台攻撃、メールサーバーからの漏洩」など、全職員にとって身近な事例だったり、今後更に活用していくであろう「生成AIの利用による情報漏洩の事例」や、「各種事例で発生した被害(賠償などの金銭的被害)」があると、より危機感を持つと思います。
NICT:石狩市様が今後に向けて検討していることを教えてください。
和田さん:若手職員が中心となり、フロントヤード/バックヤード改革を進めています。
内部事務の改善や庁舎空間についても検討をしているところです。
市民も職員も効率よくするのはもちろんのことセキュリティ対策もしっかりとして、安全・安心な市役所を目指してまいります!